鉄道趣味雑記帳

鉄道の旅と模型が好き

KATO USA ビューライナーⅡ荷物車(HO)

 

 はい、というわけでようやく日本でもHOスケールでアムトラックのビューライナーⅡ荷物車が発売となりました。と思いきや記事を下書きで塩漬けしていた間に4ヶ月近く経っていたという時期を完全に逸したオチに。

市中在庫はじわじわ減ってきているようですが、まだ残ってはいるので安心と安定のKATO製ということで今のアムトラックを楽しみたい人は迷わず買いましょう。

 

 さて、特段ケチをつける要素も理由も無いので、手短にレビューをしていきます。

 

本当は画像を添付しようと思っていたのですが、面倒くさすぎて後回しにしている間にこんな事になってしまったのでレイアウトに持ち出す機会があった時にでも撮って追加しておきます…

 

もくじ

 

・予備知識

 

 アメリカ旅客列車初心者の方向けに簡単にこの車両の説明をすると、アムトラックの旅客列車には今でも荷物車(日本でのマニに相当する車両)が連結されています。長らくアムトラック設立時に私鉄各社から引き継いだヘリテイジと呼ばれる車両達がその任に当たっていました。が、この車両達は古いものだと1950年代製造でもう還暦見えてるぞ、といった化石みたいな車両がゴロゴロいたんですね。

 流石にそろそろあかんな…ということで2010年代後半から新造車での置き換えが始まりました。このために製造・投入されているのがこのビューライナーⅡ荷物車というわけです。

 

・外観

 

 はい文句なし。印象良しサイズ感良し車体の銀色はきれい帯の塗装もきれい流石俺たちのKATOだぜ! ドアは開きませんが、まぁそこは開けたきゃ改造しろということで。

 

 

・ユーザー取り付けパーツ

 

 同じKATO製のスーパーライナー客車やヘリテイジ荷物車には無かった(はず)のユーザー取り付けパーツが添付されています。場所は車体が収まっている発泡スチロール容器の下です。

 取り付け自体は簡単です、車体側に付く手すりのバリ取りにだけ注意をすれば失敗する要素もないでしょう。床板側取り付けパーツに至ってはゲート側は車体に隠れるようになっているので、バリ取り処理が雑でも無問題です。

 

 

・構造

 

 こちらも特に特殊な構造は無し。ただしテールライトユニットの仕様の関係で遮光用パーツが車内に目立ちます。気になる人でテールライトの点灯を考えない場合はケースは撤去、ライトレンズも切断して直接妻面のライト部分に接着埋め込みしてしまえば車内もスッキリするでしょう。

 

 

・走行性能

 

 ケチをつけるほどではない上に、今のところ特に実用上問題も無さそうなのですが、個人的に少し気になったところが足回りです。

 一般的なプラ製品同様、この荷物車も台車から伸びた集電板に車体側の導電板を当てて車内に電気を引き込む構造を取っていますが、車体側の集電板の反発力がやや強すぎると感じました。もちろん台車を下向きに押し下げる力が働くだけなら特に問題はありません(台車は固定用ビスに引っかかるので、ビスを外さなければ台車が外れる理由が無い)。

 ただしこの製品のように、コロ受けが車軸に取り付けられており車輪の回転に合わせてコロ軸受けも回るようになっている仕様上、車軸が台車の集電板を貫通していることが悪い噛み合わせとなっています。車軸が上から押さえつけられているのか、強く押されて傾いた集電板が車輪側面を掠っているのかは詳しく調べないと判断ができませんが、車輪に常に強めのブレーキがかかり続けている状態になっているのは間違い無さそうです。

 車体側導電板の端部を少し折り曲げて反発力を弱めるか、あるいは導電板を車内に完全に引き込んでしまってTOMIXよろしくバネを台車側集電板にセットすれば解決する程度の話ですし、現状これを放置したからといって特に問題が起きるとも思えませんのでなんとも難しいところですが。

 

 今後KATOがビューライナー寝台車や食堂車などアメリ東海岸の旅客列車用の新型車両を展開し、ビューライナー荷物車の構造を踏襲した車両を多数発売した時にそれらで編成を組むと走行抵抗としてちょっと問題になるかな?といった具合です。

 

 ※実際にレイアウトで走らせたところ、組み込み一両であることもあって特に走行抵抗の大きさを感じる場面はありませんでした。なお、しばらく走らせているとキュルキュルと耳障りな音が鳴り出しますが、これはコロ軸受可動仕様の関係でどうしても鳴ってしまう音(スーパーライナー客車の方でも発生する)なので、特に不良品というわけではありませんのでご安心を(?) 対策はあるにはありますが、やや上級者向けとなるのでここでは割愛させて頂きます。

 

 

・総評

 

 欲しけりゃ買え。