鉄道趣味雑記帳

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KATO製 ALC-42 チャージャー(N)の分解と室内灯取り付け

KATOから待望のアムトラック新型機関車・ALC-42 "Charger"が発売になりました。

 

www.katomodels.com

 

 さて、この製品は機関車に室内灯ユニットを組み込むことで実車でも特徴的な透かしルーバーを点灯させるギミックが用意されています。

室内灯はユーザーの任意取り付けとなっているのですが、製品付属の説明があまりにもざっくりしている割に造りが独特で、何も知らずに分解しようとすると恐怖さえ感じるような構造になっています。

 なので室内灯ユニットを組み込むために分解しようとして、うっかりパキッとやって萎え萎えになってしまう悲劇を少しでも減らすべく、分解方法を記録しておきます。

ASSYパーツもアメリカ型向けは国内に殆ど出回っていないので・・・(20世紀特急の時は一部出回っていた)

 

 

・構造

まず全体の構造を把握するために分解後の画像から見ていきます。

ボディと動力ユニットを分解したところ

 基本構造はP42とほぼ同じですが、構成的には同じKATO製のSD70ACeのようにダイキャストフレーム+台枠パーツボディパーツに分解する構成になっています。
 ダイキャストフレーム+台枠パーツの部分はほぼ左右対称です。ではボディ側を見ていきましょう。

ボディ内部(右側面) 丸印は固定用の構造がある場所

ボディ内部(左側面) 丸印は固定用の構造がある場所

 ボディ側は特徴的かつ特殊な構造となっており、フレームに固定するための構造が前位/後位側に偏って配置されています。

 それではこの特徴的な構造を踏まえて、実際に分解していきましょう。

 

・分解

1. 準備

 分解するための前準備として、後位側車端部に取り付けられているホースパーツを取り外しておくことをおすすめします。

このパーツは車体構造から飛び出しており引っかかりやすい割に外れやすく、気を抜くとすぐ何かを引っ掛けて外れて行方不明になりかねないため、作業前に一旦取り外しておきましょう。

丸で囲んだ部分がホース表現パーツ、非常に外れやすい

 このパーツはただ穴にはめ込んであるだけなので、ピンセット等でつまんで軽く長手方向にふにゃふにゃと揺すってあげれば簡単に外れます。パーツに左右の区別は無いようなので、特に気にせず車両ケースのフタにでも放り込んでおくのが良いでしょう。

 

 

2. ボディとフレームの固定を外す

 

 ホースパーツを取り外したら車体をひっくり返します。

丸で囲んだところに固定用の構造が隠れている

 オレンジで丸をつけた部分では、ボディのガラスパーツの凹みにダイキャストフレームの出っ張りが引っかかった構造の固定部があります。

 ここの引っ掛かりは、爪楊枝なりピンセットなりでガラスパーツをそっと押し上げて車体側に押し込むとボディが台枠から浮き上がるので、連結器部分を軽く指で支えて少しだけ持ち上げてしまって固定用構造が外れた状態を維持して上げるのが良いでしょう。台車を持って外そうとすると高確率で台車枠がスポっと外れるので注意です。

 片側のオレンジ丸の構造の固定を外した後は、先に緑で丸をつけた、ルーバーガラスと台枠パーツで固定されている部分を2ヶ所とも外してしまうのがおすすめです。この部分の構造はちょっと引っかかってるだけなので、ボディを軽く広げるだけで簡単に外れます。

 残ったオレンジ丸部分の固定も外すと台枠パーツとボディの間に隙間ができるので、ここで一度車体を起こして床下側が下になるように置き直しましょう。

 ※ひっくり返したままでも作業できないことはないのですが、車体をひっくり返したままだとダイキャストフレームの重さがここまでの作業をリセットする方向の罠になること、フレームを引き抜く際に台枠部分のプラパーツに力がかかって破損しやすくなることからあんまりおすすめはできません

 

 

3. ボディとフレームの分解

 

 車体を起こしたら、台枠パーツとボディの隙間を広げながらボディを上に引き抜きます。この時片方を引き起こした反作用でもう片側が固定位置まで戻ってしまわないように、指で抑えながら前後を交互に持ち上げていくのが良いでしょう。隙間がある程度以上の広さになると抵抗なくスポっと外せるので、落ち着いて作業を進めるのが肝心です。

 ボディが外せたら、後は製品説明(単品ならケースに入っている紙の内側に書いてあるのでウレタンを外すと見える)の指示に従って、室内灯ユニットを調整して組み込みます。ここはフレームも強靭かつユニットがパチンとはまる構造になっているので、多少強めに押し込むぐらいでも大丈夫です。

 

 

 室内灯ユニットの組み込みが終わったら、ボディを被せて元通りに組み立てます。この時、ボディの先頭側を先にフレームに被せてから後ろ側を被せ、だいたい車体が水平になったぐらいの位置から押し込んであげるとすんなりと組み上がってくれます。

 なお、前後の台車付近やや車体中心寄りに、台枠パーツが内側にへこみこまないためのストッパーがボディ側に付けられているので、この部分が浮いた時は無理に押し込まないように気をつけましょう。台枠パーツを外側に少し広げてあげれば正しい位置に収まりますので。

 あとは最初に取り外したホースパーツの再組み込みもお忘れなく。

 

 

チャージャーの分解と再組み立ての要点は以上です。分解する時はくれぐれも無理な力をかけすぎないように落ち着いて作業しましょう。特に台枠パーツを無理に引っ張ると、ダイキャストフレームに固定している部分のツメにダメージが入りやすいのでお気をつけて。

 

 

おまけ

台車枠は力がかかると割とあっさり外れますが、外れてしまった台車枠を元に戻す時は下の画像のオレンジの丸部分に固定用のツメと引っ掛かりがありますので、ここをきちんとはめ込むようにしましょう。ここの固定が甘いとギアが中途半端に噛み合った状態になってしまい、牽引力の低下やギアの極端な磨耗といったトラブルを起こしやすくなってしまうので。

台車枠の底板の前後部分が、ギアボックスの端のツメと噛み合う構造になっている